体温確保
まず体温確保が最優先
背中側の身体の中心から手足に向かって優しくマッサージしながら、使い捨てカイロやペットボトルにお湯を入れたものなどで身体全体が温まるようにしましょう。また、ぐったりしていて、口の粘膜が湿っていなかったり、身体の皮膚をつまんで引っ張ったときに皮膚の戻りが悪ければ、脱水を起こしている可能性があります。早めに動物病院へ連れて行きましょう。
授乳
ミルクが子猫の気管に入らないように注意
授乳は、乳首の小さな子猫用のほ乳瓶や針のついていない注射器スポイトなどを使います。哺乳瓶を口の中に入れる前に、小指を子猫の口に深く入れると、舌(ぜつ)反射で舌がストローのようにまるまって嚥下(えんげ)動作ができるか確認できます。嚥下(えんげ)動作が確認できたら哺乳瓶の乳首の先を舌の手前より奥に入れたほうが、ゴクゴク飲み込む反射を誘発できてよく飲めます。ただし、飲ませるときは容器を過度に押し出したり、仰向けにしたりせず、子猫の気管にミルクが入らないように細心の注意をはらいましょう。生後2週齢ぐらいまでは2~4時間おき、2~4週齢は4~5時間おき、ウンチの様子を見ながら子猫が飲みたがるだけ与えます。飲ませた時間と量を記録し、時間を決めて子猫の体重を毎日計ります。1週間平均で1日7~13g増えていれば成長は順調です。
排泄
排泄を手伝ってあげましょう
ミルクを飲ませる前と後に、使い捨てのローション入りティッシュのようなやわらかいものなどでお尻をリズミカルにポンポンと軽く叩き、排泄を促しましょう。オシッコは出ても、ウンチがなかなか出ないことがあります。出ないからといって、お尻をこすると柔らかい赤ちゃんの皮膚を痛めてしまうので、こすりすぎないように注意してください。出ないときは、おしりの穴にオリーブオイルなどを塗って、やさしく指の腹で刺激するとよいでしょう。もし、1週間以上、ウンチが出ないときは獣医師に相談しましょう。
赤ちゃん猫に最適な環境作り
清潔で暖かくふわふわな環境を準備
柔らかいふわふわした毛布やフリースなどを敷いた小さめのダンボール箱を準備します。箱の周りや下に、ペットヒーターやカイロを敷いて、環境温度は生後1~2週では32~34度、その後は24~27度前後を保てるようにしてください。子猫は母猫の体温以上の高温に長時間触れ続けていると低温やけどを起こす可能性もあるので、子猫が温かい暖房具から逃げられる工夫も忘れずに。
カメラのフラッシュに注意
赤ちゃん猫の目は生後4~13日ぐらいで開きますが、見えるようになるまでに時間がかかります。子猫の目は、直射日光やカメラのフラッシュなどの強い光に弱いので薄暗い環境を作ってあげましょう。
赤ちゃん猫の成長と注意点
生後3週齢を過ぎて
歯が生えてきたら離乳を開始
野良猫や子猫を自分で保護する(拾う)という偶然の出会いもあります。子猫の場合は野良猫の子や捨て猫の可能性が高いですが、放し飼いにされている飼い猫や迷い猫の場合もあるので、念のためその近所の人から情報収集するとよいでしょう。
初乳が飲めているかわからない子猫
出産後24~72時間以内に出るお母さんのお乳を初乳といいます。赤ちゃん猫はこの初乳を飲むことでお母さん猫から強い免疫力をもらいます。初乳が飲めているかわからない子猫は、免疫力が弱いため、早めにワクチン接種をし、ワクチンの抗体ができるまでは、ほかの猫との接触を避けるなどして、感染症から守ってあげましょう。