猫の優れた感覚器
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- 視力
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猫の視力は0.1〜0.2程度と考えられていますが、暗がりでも見ることができます。人が見るために必要な光量の6分の1程度でも十分。光の三原色の中で青と緑は認識できますが、赤を見ることができません。
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- 聴覚
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人には聞こえない65000Hzの高周波の音を聞き取ることができます。実はネズミの鳴き声の周波数とほぼ同じ。大きな耳介には筋肉が集まり、自在に動かして音源を探知します。
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- 嗅覚
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においをキャッチする嗅細胞は人の2倍の6000万以上あります。生後間もない子猫でも母猫のおっぱいのにおいをたどることができます。
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- 口蓋
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フェロモンを感知する鋤鼻器(ヤコブソン器官)があります。フェロモンに反応すると、唇を引き上げて口を半開きにしたような表情になります。これをフレーメン反応といいます。
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- 舌
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猫の味を感じる味蕾(みらい)は人の約10分1以下、犬の約2分の1以下です。繊細な味覚ではありませんが、毒物を避けるため苦味にはとても敏感です。次いで旨味や酸味、塩味も感じます。
猫の体のしくみ
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- 歯
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乳歯から永久歯に生え変わると30本の歯がそろいます。上下で切歯が6本ずつ、犬歯が2本ずつ、後臼歯が2本ずつ。前臼歯のみ上が6本で下が4本です。
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- 指・肉球
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前足の指は5本で、後ろ足は親指(第一指)が退化して4本。肉球は高いところから飛び降りたときに衝撃をやわらげるクッションの役割があります。
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- 肩
- 猫の鎖骨は退化して前足や肩甲骨と連結していませんが、筋肉でつながっているので可動域が広く柔軟性があります。頭が通る場所なら肩をすぼめて通過できることも。
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- 尾
- 尾椎という骨が連結してできています。尾の形や長さは猫によって異なり、骨の数も4〜26個と幅広いのが特徴です。
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- 筋力(ジャンプ力)
- 瞬発力に関わる速筋が発達していて、2mの高さまでジャンプしたり、時速50kmで走ったりできます。ところが持久力に関わる「遅筋」は少なく、長時間の活動には不向きです。
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- 体毛
- 猫種によって体毛の量や長さは違いますが、1つの毛穴から数本の毛が生える構造は同じです。体温調節の役割もあり、日照時間が長い夏には減り、短い冬には増えるしくみです。
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- 皮膚
- 猫の皮膚はとても薄く、人の5分の1程度の厚みしかありません。しなやかで弾力性があり、よく伸びるのでダメージを受けにくいのが特徴です。