遊びとしつけと社会化 遊びとしつけと社会化

遊びは子いぬの心の栄養になるのでたくさん遊んであげましょう。
しかし、遊びや生活にもルールがあり、それを教えることもしつけです。
また、慣れないことや苦手なことを減らす社会化もやっていきましょう。

生活のしつけ 生活のしつけ

いぬを叱ったり罰を与えることをしつけだと思っている人がいますがそれは違います。

いぬにやってほしいことを教え、やってほしくないことをさせないように予防することがいぬを上手にしつけるコツになります。

また、いぬはケージの中に入れっぱなしで飼う動物ではありません。家の中で自由に過ごせるようにちゃんと我が家のルールを教えてあげましょう。

トイレトレーニング

いぬは、排泄すべき場所を教えるとちゃんとそこにするようになる動物です。失敗するのは、トイレの場所がまだわかっていないだけ。最初はトイレをするタイミングを見計らって連れていきましょう。

教え方
①寝起きはまずトイレに誘導しましょう

子いぬの排泄のタイミングは、まず起きた時です。子いぬが起きたと思ったら、サークルで囲んだトイレに入れて、排泄したら褒めてご褒美を与えましょう。

②トイレサインを見逃さず連れて行きましょう

子いぬのトイレタイムは寝起きのほか、遊んでいる時、飲食の後、他の部屋から戻った時などです。子いぬが床をくんくんして部屋の隅にいったり、くるくる回ったり、搔くしぐさをしたら、トイレを探している証拠。トイレまで連れていきましょう。

③トイレで排泄したら褒めてご褒美を与えましょう

トイレサークルの中で排泄したら、すぐに褒めてご褒美を与えます。トイレのそばの子いぬには届かない場所に、あらかじめご褒美用のおやつを置いておくとすぐに与えられて便利です。

④サークルのドアを開けておきトイレタイムに誘導しましょう

飼い主さんが子いぬのトイレのタイミングがわかるようになったら、トイレサインが出始めた時に、扉があいているトイレサークルの中に入るよう優しく誘導し、中で排泄したら褒めてすぐにご褒美を与えます。

⑤子いぬ自らトイレに行って排泄したらよく褒めましょう

誘導なしで子いぬが自分でトイレに入って排泄したら、いっぱい褒めて、ご褒美を与えましょう。

※トイレに入れてすぐに排泄しない子いぬもいます。そばで凝視されると緊張して排泄できない子いぬもいるので、目をそらすか少し離れたところから、ゆっくり見守りましょう。ただし、トイレシートを噛むなどイタズラをし始めたなら、退屈している証拠なので一度出して様子をみてください。トイレを失敗しても、決して叱ったり騒いだりしないようにしましょう。

ハウス(クレート)トレーニング

自分の寝床となるハウス(クレート)に入ると、リラックスしておとなしく過ごせるようにすることがハウストレーニングです。これをマスターしていると短時間のお留守番に使えます。持ち運びできるクレートは、災害時の同行避難する際の必須アイテムなので、このトレーニングはぜひやっておきましょう。もちろん、旅行や車でのおでかけの時にも便利です。

教え方
①ハウスに良いイメージを持たせましょう

まずはハウス(クレート)の中に季節に合わせたベッドやマットなどを入れて、子いぬにとって居心地のよい空間を用意します。さらに、大好きなおもちゃや食べ物を入れて、子いぬを呼び寄せて、ハウスの中でそれらを与えます。これを繰り返すうちに、ハウスに良いイメージがついてきます。何度かやったら「ハウス」の合図を出して、入ったらご褒美としておもちゃや食べ物を与えます。ハウスの扉は常に開けておき、子いぬが休みたい時に自由に入れるようにしておきましょう。

②ハウスに滞在することに慣れさせましょう

子いぬが喜んでハウスに入るようになったら、食べ物を入れた知育玩具や噛むおもちゃなどを入れて、夢中になっている時に扉を閉めてみます。閉めている間はそばにいて、しばらくしたら扉を開けます。これを何度か繰り返し、ハウスに滞在することに慣れさせます。また、ハウスの外にいる場合は、子いぬが休みたい時に自由に入れるようにしておきましょう。

③扉を閉める時間を徐々に増やしましょう

最初のうちはおやつなどを頻繁に入れて、子いぬが出たがる前に出してあげましょう。慣れていないのに長い時間入れて子いぬが出してほしくて吠えたり鳴いたりしたら、トレーニングは失敗です。その場合はすぐに出して、しばらくたって①からやりなおしてください。子いぬがハウスに十分慣れて、自分から中に入って休むようになったら、徐々にハウスでの滞在時間が長くなるように、扉を閉めている時間を伸ばしていきます。扉を閉めた後、定期的におやつなどを中に入れて様子をみましょう。

④安心してハウスにいるようであれば離れてみましょう

たっぷりと遊んで排泄した後などに、ハウスの合図を出します。子いぬがハウスに入って、扉を閉めた後も安心して滞在しているようであれば、少し離れてみましょう。そして徐々にハウスの近くに飼い主さんがいなくても、平気になるようにしていきましょう。

日常生活のケアに慣らすトレーニング

飼い主さんにカラダを触られることや「ブラッシング」「ハミガキ」「足ふき」などの日常生活のケアは、子いぬの頃から慣らしておきましょう。これは新米飼い主さんが子いぬの扱いに慣れるトレーニングにもなっているのでぜひやっていきましょう。

抱っこで撫でて落ち着かせるトレーニング

子いぬが少し眠くなってきたタイミングで優しく抱っこしましょう。抱き上げる時は、胸の下に手を入れ、もう片方の手でお尻をカバーして持ち上げます。そしてイスに座り、子いぬのお尻をあなたの膝の上に乗せ、カラダがあなたのお腹や胸のあたりにぴったりくっつくようにすると安定します。そこで静かな口調で「いいこね」とささやきながら、頭から尻尾にかけてゆっくりと優しくなでましょう。子いぬが落ち着いた状態になり、うとうとしてくる撫で方ならば成功です。

カラダ中を触るトレーニング

抱っこで落ち着かせることができるようになったら、ゆっくりと子いぬのカラダを触りましょう。背中やお腹などはもちろん、耳やクチのまわり、足先、お尻などの部分も触っていきますが、子いぬの反応を見て心地いい触り方を工夫しましょう。イヤがるのに無理に触るのはストレスがかかるので控えてください。慣れてきたら、耳の中、目のまわり、鼻、クチの中、お腹、お尻、足先などに変化がないか、健康チェックをしていきましょう。

ブラッシングのトレーニング

ブラッシングなどの被毛のケアは健康管理にも役立つので、子いぬの時から慣らしておきましょう。その子の毛質にあったブラシを用意し、まずは道具の匂いを嗅がせるなどして安心させます。そして、軽い力で優しくブラッシングしていきます。ブラシをおもちゃだと思って噛もうとしたり、じっとしてない子いぬには、噛むタイプの大き目のおやつを片手に持って、噛ませている間に利き手でブラッシングしていきましょう。

足ふきのトレーニング

お散歩に行き出したら、帰宅時に足ふきが必要になります。その時に慌てないように、お散歩デビュー前から足を拭く練習をしておきましょう。まずはスティック状などのやや大きめのおやつを用意し、鼻先に近づけて子いぬの興味を引きます。おやつを舐めはじめたら、タオルやウエットティッシュで子いぬの足を拭き、褒め言葉をかけて舐めておやつを与えます。足を拭くことに慣れてきたら、おやつは足ふきが終わってから与えるようにし、最後はおやつなしでも足を拭くときは、じっとできるようにしていきましょう。

はみがきトレーニング

いぬは歯石が溜まりやすく、歯石が溜まると歯周病になり、それが原因で内臓の病気を引き起こすことさえあります。これらを予防するのは歯磨きで、子いぬの頃から慣らしていると、成犬になってからも家庭でデンタルケアができるので安心です。まずはカラダを撫で、優しく声をかけながらクチのまわりを触ります。おとなしく触らせてくれたら、褒めて小さいおやつを与えます。続いてクチを閉じた状態で唇をめくる練習をします。少しでもじっとしてくれていたら、褒めておやつを与えます。クチを触られることに慣れてきたら、同じ要領でハブラシにも慣らしていきましょう。

犬具に慣れるトレーニング

お出かけの時に必要な犬具ですが、慣れていないと装着をイヤがる場合があります。お家でリラックスしている時から、装着の練習をしておきましょう。まずは首回りを触ることに慣れさせてから、緩めの首輪をつけてみましょう。おとなしくつけさせてくれたら、ご褒美のおやつを与えます。そして、子いぬの首と首輪の間に人の指が2本入る程度に調整します。再度、おとなしく装着させてくれたらご褒美を与えます。装着後、子いぬが後ずさりしても首輪が抜けないか確認しておきましょう。

子いぬが首輪に慣れてきたら、リードをつけてみます。けしてリードは引っ張らず緩い状態にして、おやつで誘導してリードを持つ飼い主さんのそばを歩かせるようにして、上手について歩けたらご褒美としてそのおやつを与えましょう。